腰の症例(腰痛症)についての勉強会

先日、業務終了後に本院の「山王鍼灸整骨院」にて行われた勉強会に参加してきました。
今回は「なかなか痛みが取れない腰痛に対し効果的な施術法」を学びました。


目次


・腰痛とはなにか?

 ① 腰痛の定義

腰痛とは『疾患の名称ではなく、腰周囲の痛みやコリ、不快感などの症状の総称』です。
一般的に、下肢に及ぶ症状(坐骨神経痛など)も含まれます。

日本では多くの方が腰痛を経験し「国民病」ともいわれるほどにもなっております。
とある調査によりますと、一生のうち約70%の方が腰痛を経験するというデータも出ております。

また、国民生活基礎調査にて、腰痛は男性で最も多い身体症状として、女性では肩コリに次ぐ第二位に腰痛が位置付けられています。

② 特異的腰痛と非特異的腰痛の違い

腰痛には大きく分けて2種類に分けられます。

  (1)特異的腰痛

原因を特定できるものを「特異的腰痛」といいます。これは、レントゲンやMRIなどの医師の検査でわかるものを指します。
例えば「椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「腰部圧迫骨折」「骨粗鬆症」などが当てはまります。
腰痛全体で約15%を占めています。

  (2)非特異的腰痛

次に原因を特定できないものは「非特異的腰痛」といいます。これは医師の検査でも厳密に原因を特定できないものを指します。
腰痛全体の約85%を占めています。

「非特異的腰痛」は、日常の姿勢などの生活習慣に関連するものの、はっきりとした骨・関節・筋肉の病変がみられず、画像診断でも断定できない痛みの原因が特定しづらい腰痛です。

今回の勉強会では接骨院に来院頻度が高く、多くの方が経験しやすい「非特異的腰痛」について学びました。
ここからは「非特異的腰痛」について解説していきます。


・腰痛(非特異的腰痛)の種類は?

非特異的腰痛には大きく分けて、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛、筋筋膜性腰痛の3種類があります。それぞれに痛みを生じる部位が違いますので名前がつけられています。
これらの症状は当院にて施術可能です。ご相談ください。

① 椎間関節性腰痛

脊柱を構成している椎体(背骨)があります。その椎体を上下で繋いでいる「椎間関節」に生じる痛みを椎間関節性腰痛といいます。
腰を無理に捻ったり、後ろの物を取ろうとして振り向いた際に痛めやすい部位です。

ここに痛みを生じると、局所的な痛みを伴い、腰を反らしたり捻ったりの動作で痛みが増強します。
徒手検査では、ケンプテストなどで確認します。

② 仙腸関節性腰痛

骨盤を構成する骨の内、仙骨と腸骨を繋いでいる「仙腸関節」に生じる痛みを「仙腸関節性腰痛」といいます。
中腰での長時間の作業や、不用意な動作、あるいは繰り返し仙腸関節部に衝撃を与えていると痛めやすいです。
出産後の骨盤のゆるみや歪みも痛める要因となりますのでご注意ください。

仙腸関節部の障害では局所的な痛みに加え、患者様が痛い箇所をピンポイントで指をさす「ワンフィンガーサイン」といわれるテストも症状の特定に有用です。

③ 筋筋膜性腰痛

背筋(脊柱起立筋)部に対して、急激にあるいは慢性的な負荷がかかると痛みを生じます。
スポーツ活動や重たい物を持ち上げたり、靴下を履く動作で発生することもあれば、長期間の悪い姿勢によって背筋部に慢性的な負担がかかり痛めることもあります。なお、良い姿勢を保っていてもそれを長時間行うと筋肉に負担がかかるので注意が必要です。定期的に姿勢を換えるのをオススメします。

また、筋肉が原因の腰痛であるため、レントゲンの検査では異常が見つかりません。
腰痛が原因で当院へ来られる患者様の中で「筋筋膜性腰痛」が最も多い症状でもあります。


・腰痛の原因は?

ここまで、腰痛の種類や特徴について説明してきました。

非特異的腰痛が起こる原因として「日常生活の姿勢」が関連していることが考えられる場合が多い疾患です。
ここからは腰痛の起こる原因の一つである姿勢について解説していきます。

姿勢の影響

腰痛を訴える多くの患者様が、姿勢の左右差(骨盤のゆがみ)や猫背、巻き肩などの不良姿勢がみられます。

その腰痛の施術において「どのように姿勢が崩れているか?」、「なぜ、その姿勢になってしまったか?」を追求していくと、腰痛を引き起こしている要因について推測することができます。その要因に対し施術を行うことにより症状の改善に繋がっていきます。

① 良い姿勢

姿勢のタイプは様々あり、正常な方では首から腰にかけて脊柱(背骨)がキレイなS字のカーブを描いています。
このS字カーブで体重を効率よく支えています。

② 悪い姿勢(猫背)

一方、左から二番目の「猫背タイプ」の方は、背中が丸まり首が前方に突出しているのがわかると思います。すると腹部も前に出てきてしまいゆがんだ脊柱となります。

このタイプの方は、背中や肩甲骨を支える筋力が弱かったり、うまく使うことができないことが多いです。
更に、腹筋も連動して使えてないので腹部を潰すような姿勢となり身体をしっかりと伸ばせない状態にあります。

裏を返せば、このタイプの方は使えていない肩甲骨周りの筋肉や、腹筋を鍛えていくと症状の改善に繋がります。

他にも腰部の負担が増強するのはもちろんのこと、首にも悪影響が出てしまい更に不良姿勢となります。
この時の首の状態を「ストレートネック」といいます。首も気になる方はこちらをタップしていただくと詳細の記事に移ります。

③ 悪い姿勢(反り腰)

右から2番目の猫背の反対の「反り腰」は一見、胸が張れていて良い姿勢にみえます。
しかし、この姿勢は骨盤が前傾しており、腰部が過度に反っています。

このタイプの方は、骨盤が前傾しており、腰椎が過度に反っている様子が見られます。
腹筋が身体に対して弱く、骨盤を支えられないためお腹を突き出した姿勢となってしまいます。
また、臀部や太ももの裏(ハムストリングス)の筋肉が弱くなっていることが多く、これも骨盤を支えられない要因の一つと考えられます。

このように、悪い姿勢の要因は様々なものが考えられます。これらを検査や評価し、なぜその姿勢になったのかを特定していくと、腰痛が起きている原因を特定していくことができます。


・腰痛の症状は?

腰痛の症状は、文字の通り「腰の痛み」です。しかし、上記でも解説してきたように腰痛の種類は様々あり、状態に応じて腰の痛み方も患者様により異なります。

  • 腰が重く、痛みがある
  • 動かすと腰の痛みが強くなる
  • 朝、起きた時に腰が痛くなる
  • 長時間同じ姿勢でいると痛みが強くなる
  • お尻から足にかけて痛みやしびれが出ている
  • 腰の痛みと共に、肩こりや首のこりも感じてきた

このような症状などを皆様から多くご相談いただきます。


・腰痛の施術法は?

原因の無い「非特異的腰痛」に対し日本腰痛学会は、重症でない場合を除き「湿布・消炎鎮痛剤・ブロック注射など」を利用し安静にすることで症状が緩和されると発表されています。

しかし、湿布などで痛みが緩和されても「腰を痛めた要因」は改善されていないため、再発する可能性も多くあります。

当院では「腰痛」に対し、痛めた要因を把握し、痛みの元となっている筋肉や関節などに「手技・鍼灸・整体・ストレッチ」を用いてアプローチします。

施術を行うにあたり、まずは痛みを緩和させるための施術を優先的に行います。
症状が軽減あるいは改善傾向の軌道に乗りましたら、身体の歪みを正すことや、姿勢の矯正を行うことにより再発しにくい身体へと導きます。

 ↑ 腰痛の中でも多い「筋筋膜性腰痛」のメカニズムの説明を受けている写真です。

 ↑ 腰痛のジョーカーともいわれる「腰方形筋」へのアプローチ法を教えてもらっています。

 ↑ 腰方形筋への鍼施術です。

 ↑ 腰痛への鍼施術の一例です

写真は無いですがその他にも効果的な施術法を学ばせていただきました。


・まとめ

今回の勉強会に参加し「腰痛」に対する知識を更に深められより良いアプローチ方法をスタッフ全員で共有させていただきました。

大岡山すみれ鍼灸整骨院は患者様に寄り添い、様々な辛い症状を緩和できるよう高い施術品質のご提供を心がけております。

腰の痛みでお悩みの方はぜひ私たちへご相談ください。


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